犬の歯磨きガム、正しい選び方や効果的な与え方ってあるの?上手な活用法を獣医師が解説!

愛犬の歯磨きが大切だとはわかっていても、あきらめている飼い主さんは多いもの。まずは、歯磨きガムを使った簡単ケアからはじめてみませんか。噛むことで「歯垢除去」「口内衛生」「口臭抑制」などの効果があるといわれる歯磨きガム。愛犬の健康維持のために上手な活用法をマスターしましょう。

<監修>獣医師:中村恒彰

ガムの選び方

「硬い」ほうが歯垢が取れやすいと、思っていませんか?

オーラルケアのアイテムにはいろんな素材のものがあります。硬いほうが歯垢が取れやすいと思われがちですが、犬の歯は意外ともろく、骨やひづめ、乾燥したアキレスなど硬いものを噛むと、臼歯が割れたり、犬歯が欠けたりしやすいんです。 また硬いものは歯がくいこまないため、歯の根本の歯垢が取れないという弱点もあります。オーラルケアが目的のガムは、素材が繊維状で、噛むたびに歯の表面がこすれるものが効果的です。

多数の溝をもつガム。どこを噛んでも歯が食い込み、歯垢を削ぎ落すしくみ。

「サイズ」に無頓着なのは、とても危険です!

ガムのサイズ選びもとても重要です。大きすぎるガムは口内を傷つけたり、わんちゃんが丸飲みして消化管に詰まってしまう危険性も。必ず商品の表示を確認して、わんちゃんのお口に合った適正サイズを選んでください。「大」は「小」を兼ねません。

ちっちゃいわんちゃんには、超小型犬用のガム。

「オーラルケア」用のガムを選ぶなら、ココがポイント!

オーラルケア用のガムを選ぶときのポイントとして、「硬すぎない」「歯や、歯と歯の隙間に密着できる」「繊維質」「嗜好性がよい」などがあげられます。もちろん、誤飲でのどや食道に詰まりやすい大きさのものや、消化不良を起こしやすいものは避けてください。

オーラルケアガムを選ぶポイント
  1. 硬すぎて歯の表面がすり減ったり、歯が折れたりしないもの
  2. 多くの歯や、歯と歯の隙間に密着できる形状のもの
  3. 繊維質で、できるだけ長く噛んでいられるもの
  4. 嗜好性がよいもの

ガムの与え方

与えっぱなしはダメ、「奥歯」を狙って噛ませます!

わんちゃんにガムを与えっぱなしにする飼い主さんが多いのですが、これではあっという間に食べ終わったり、噛まずに丸飲みしてしまったりで、オーラルケア効果はあまり期待できません。ガムは飼い主さんが手に持って噛ませてください。

その際、上顎の奥にある第4前臼歯を狙って噛ませるのがコツ。近くに唾液腺があり、唾液中のカルシウムが沈着して歯石がつきやすい箇所です。口の横からガムを差し入れ、少しずつ送りながら、最後まで手で持って。左右、しっかりと噛ませましょう。

上顎の奥にある第4前臼歯を狙って噛ませるのがコツ!

たまにあげるだけでは期待薄、「毎日の習慣」にしよう!

ガムはたまにあげるだけでは、オーラルケアの役目を果たしません。わんちゃんは歯垢が歯石になる速度が速く、人の25日に対し、わずが3〜5日。歯石になってしまうと動物病院で処置しないと除去できないので、その前に落とすことが大切です。

ガムによるオーラルケアは、できれば毎日の習慣に。繊維状のブラッシング効果の高いものを選べば、短時間でも効果が得られます。頻度は1日1本を目安に。低カロリーとはいえ、余分にあげたときはフードを調整してください。

横から差し入れて、しっかり噛ませます。ガムによるケアは毎日の習慣に。

オーラルケアガムは「補助ケア」、ステップアップをめざそう!

オーラルケアガムには、噛むことで「歯垢除去」「口内衛生」「口臭抑制」などの効果がありますが、ガムだけで歯の汚れを完全に落としきれるわけではありません。

あくまで補助ケアの位置づけなので、最終的には歯ブラシによる本格ケアをめざしたいところです。オーラルケアガムを歯みがきのごほうびに活用するなどして、少しずつ慣らしていきましょう。

オーラルケアガムの効果
  1. 噛むことによって、歯に付着した歯垢を落とす
  2. 噛むことで唾液の分泌を促進し、口内をきれいに保つ
  3. 噛むことで歯垢を落として、口臭を抑制する

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