犬の歯みがきおもちゃの活用術をプロが伝授!遊んで、噛んで、楽しく歯みがき!

2歳までの犬の約80%がお口の中に何らかの健康課題を抱えていると言われており、家庭での犬のオーラルケアが重要視されています。
一方で、歯みがきに挑戦したけれどうまくできなくてあきらめてしまう飼い主さんもたくさんいます。
今回は、遊びながら楽しくオーラルケアができる「歯みがきおもちゃ」について解説します。

* WSAVA Global Dental Guidelines(WSAVA):世界小動物獣医師会

<監修>鹿野 正顕先生(ドッグトレーナー/学術博士/スタディ・ドッグ・スクール代表)
麻布大学介在動物学研究室にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。
卒業後、人と動物の関係に関する専門家の育成・普及を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立し、飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営を行いながら、トレーナーとしても指導にも携わっている。

犬のオーラルケアの目的は、歯垢を落とすこと

そもそも、犬のオーラルケアとは何か?歯みがきの目的と意味を考えてみましょう。
犬の歯の形や唾液のpHは人と異なるため、むし歯になりにくい一方で歯石は付きやすく、人のおよそ5倍のスピードで歯垢が歯石に変わると言われています。そのため、お口の健康を守るためには、自宅での日頃のお口のケアが重要です。歯垢が歯石に変わる前に歯垢を落としてあげる、家庭でのオーラルケアが推奨されています。

その方法のひとつが歯ブラシなどで歯垢を落とす歯みがきです。歯みがきができれば理想的ですが、現実問題として「愛犬がやらせてくれない」「上手にみがけない」など歯みがきを難しく感じ、「歯みがきができない」から「オーラルケアができない」とあきらめてしまっている飼い主さんがたくさんいます。

歯ブラシを使った歯みがきが理想ですが、なかなか難しいもの…

犬用歯みがきおもちゃを上手に使って、遊びながらオーラルケア

愛犬のお口の歯垢を落とす方法は歯ブラシなどで歯垢を落とす歯みがきだけではありません。しっかりものを噛むことでも歯の表面に付いた歯垢をそぎ落とすことができますし、唾液の分泌を促進して口の中の汚れを洗い流すこともできます。ものを噛むという点では、歯みがきガムや歯みがきおやつなどがありますが、最近では遊びながら歯垢を落とす「歯みがきおもちゃ」(デンタルトイ)にも注目が集まっています。

1.犬の歯みがきおもちゃにはどんなタイプがあるの?

おもちゃを使ったオーラルケアでは、しっかりとおもちゃを噛ませることが重要です。ロープのおもちゃはがっちりと歯が食い込み、引っぱったり振り回したりすることで、歯の表面の歯垢を落としたり、唾液の分泌を促したりすることができます。

また、オーラルケアに特化した歯みがきおもちゃは、適度な弾力性で噛み応えのある天然ゴムなどの素材でできています。細かい突起や凹凸をつけることで、歯の表面の歯垢を落としやすくなっているものもあります。中におやつを入れられるタイプもあり、おやつを取り出そうとして噛む回数が増えたり、集中して噛む時間が長くなったりします。また、噛むことは犬にとってストレス解消にもなります。

歯みがきおもちゃの中におやつを入れられると、さらによく遊んだり取り出そうとして噛む回数が増える。

2.犬用おやつを食べながら、歯みがきできるの?

「歯みがきをするのにおやつをあげてもいいの?」と思う飼い主さんも多いようです。人は歯みがきをしながらおやつを食べることはまずないので、不思議に思われるのも無理はありません。

人では「おやつを食べるとむし歯になる」というイメージがありますが、すでに説明したように犬はむし歯にはなりにくいのです。歯みがきおもちゃの目的はしっかり噛ませて歯垢を落とすことです。おやつを入れることでそれを食べようとさらにしっかりと噛むようになりますし、おもちゃで遊ぶ楽しみとおやつを食べる楽しみを味わいながら、効率よくオーラルケアができます。

おやつの入ったおもちゃはより魅力的に!

歯みがきおもちゃは「噛むもの」だと犬に教える

歯みがきおもちゃでオーラルケアを行う場合は、まずそれが噛むおもちゃだということを犬に教えてあげる必要があります。おやつを入れられるタイプの歯みがきおもちゃなら、おやつを食べようとするため、口にくわえる、噛むという行動に結びつけやすくなります。

最初のうちはおやつを少し飛び出させて取り出しやすい状態からはじめ、だんだんとおやつの入れ方を工夫して少しずつ難易度を上げていくことで、飽きずに楽しむことができます。

スティック状のおやつを短くちぎってたくさんの穴に差し込むと、取り出しやすく何回も楽しめる。

歯みがきおもちゃを噛まず、転がしたり舐めたりするだけで中に入ったおやつを食べてしまうことがあります。
そのような場合には、飼い主さんが手で持ってあげたり、サークルやケージの中など、おもちゃが転がらないようなスペースで試してみてください。

噛もうとしない場合は、「噛んで遊ぶもの」ということを教えてあげるところから。

犬用歯みがきおもちゃでオーラルケアの頻度がアップ

「歯みがき」は「食後にするもの」というイメージがあるかもしれませんが、それも人の歯みがきの発想です。オーラルケアは、習慣にしてずっと続けていくことがとても大切で、毎食後にできれば理想的ですが、それが飼い主さんの負担になっては元も子もありません。

歯垢は3〜5日で歯石になると言われていますから、その間に歯垢を落とせばよいというわけです。食後にこだわる必要はなく、1日1回程度は歯みがきおもちゃで遊ぶ機会を設けて、オーラルケアにつなげていくとよいでしょう。

犬のおもちゃには飼い主さんと「一緒に遊ぶ用」と、「ひとり遊び用」がありますが、歯みがきおもちゃの多くは「ひとり遊び用」です。外出先でおとなしくさせたいとき、散歩に行けないときのストレス発散など、歯みがきおもちゃは、さまざまなシーンで活用できます。つまりは、歯みがきおもちゃによってオーラルケアする機会が自然と増えていくというわけです。

オーラルケアを習慣化するためには、歯みがきおもちゃなどを上手に利用して、無理なく続けることが大切。

犬用歯みがきおもちゃは衛生的にお手入れして、安全に管理しよう

歯みがきおもちゃは、犬が直接口にするものですから、つねに清潔にお手入れし、誤飲・誤食を防ぐためにも安全に管理しましょう。

犬が口にくわえて舐めたり噛んだりすれば、唾液が付着して菌が繁殖しやすくなります。おやつが入れられるタイプでは、おやつのくずなども付きますので定期的に洗ってください。ゴム製のおもちゃは汚れが落ちやすいので、お手入れは簡単です。使用後はしっかりと水洗いしましょう。表面に凹凸や突起がある場合はそこもしっかり洗い、洗った後は水気をふき取り、乾燥させてください。

歯みがきおもちゃの状態をこまめに確認することも大切です。犬に噛ませるおもちゃですから、徐々に劣化してくる場合もあります。破損、変形、変色、劣化など、おもちゃに傷みがみられたら新しいものに交換しましょう。歯みがきおもちゃのお手入れもしっかり行いながら、遊びながら楽しくオーラルケアをする習慣を、愛犬との暮らしの中にぜひ取り入れてください。

犬が舐めたり噛んだりするため、使用後はしっかりと洗って乾かしましょう。

噛むことで汚れを落とす。遊びながら歯みがきできるおもちゃ

おもちゃの中に大好きなおやつを入れても遊べる歯みがきおもちゃ。長く噛んでも歯や歯ぐきにやさしい柔らかゴム素材。表面のたくさんの小さな突起が、遊びながら噛んで歯の汚れを落とします!

PETKISS ワンちゃんの歯みがきおもちゃ特設ページ

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